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カテゴリ:物語( 1 )


2010年 08月 22日

THE STORY

1973年の夏の終わり。
アメリカ陸軍に従軍していたジャスティンは兵役を終え、故郷のメイン州フリーポートに戻っていた。

ベトナム戦争の末期ではあったが、彼の任務はいわば雑役で、主な任務は兵舎の建設など、直接戦闘には参加していなかったので、帰還兵が抱える問題・・・フラッシュバック・・・などの残禍は無く、比較的おだやかな感情の持ち主だった。

故郷に戻り、仕事を見つけなければいけなかったが、とりたて手に職があるわけでもなく、カーセールスか何かで食べていこうかと考えていた。

父親のライアンは彼が13才の時に既に他界し、兄がいたが、ヒッピームーブメントの最中各地を放浪し、現在ははっきりと消息が分かっていない。
母親は小さなベーカリーを営んでおり、生活自体は裕福ではなかったが、落ち着いてはいた。

ある日、兵役時代に愛用していた工具類を片付けようと、自宅の敷地内にある納屋へ向かった。

そういえば、父が亡くなってから中へ入った事がなかった・・

納屋の扉は上吊りレール式の木造りで、頑丈にできていた。
かなりの重量があるその扉を右隅に追いやり中へ踏み入ると、なんだか懐かしいようなにおいがする。
窓を開け放つと室内に夏の日射しが差し込んできた。

そこには、父親が愛用していたハンティングツールが整然と置かれていた。

父ライアンは地元では有名なハンターであり、また収集家でもあった。
収集家とは言っても狩猟の成果を誇る剥製ではなく、主に銃器やハンティングツール、皮製のライフルスリングなどだった。

ジャスティンはそこにあった小ぶりのハンティングバッグに目をやると、おもむろに手に取った。
そのバッグはキャンバスとレザーでできていて、ショルダーベルトの刻印を見ると、約40年前に製造されたものだという事が分かった。

ジャスティンは少し違和感を感じていた・・父親は40代で亡くなっている・・
なるほど、当時ライアンは中古のバッグをスリフトストアかどこかで手に入れたのか?とも思ったが、違和感の現因はそれではなかった。

よくよく見ると、バッグのボディはミリタリークロージングを流用しているようで、ジャスティン自身も着用していたU.S.ARMYのステンシルがうっすらと残っている。
ショルダーベルトはコレクションしていたライフルスリングの一部が使われていて、その他のレザー補強パーツもおそらく何か別のハンティングギアから拝借したもののようだった。

ジャステインは幼い頃、父ライアンが自身のバッグをリペアしている姿を思い出した。
いや、正しくはリペアではなく、狩猟の目的別にライアンオリジナルのギアをカスタムメイドしていたのだ!しかも相当の数・・

ジャスティンは亡き父の息吹が残るそのバッグをじっと見つめた・・
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すみません・・妄想してしまいました・・・
今回の素材は軍パンの「スソ」です。各レザーパーツも、いつも通りオールリサイクルパーツです。
出来てからこんな「物語」が頭に浮かびました・・・
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by skylab73 | 2010-08-22 00:42 | 物語